前回空圧の発生源について説明をしました。ここまでで比較的クリーンな圧縮空気が工場中に行き渡っています。この空気をそのまま使ってもいいですが、使う前にあとちょっとひと工夫を加える必要があります。
空圧の用途についてこちらのページで紹介しています。
装置で実際にシリンダなどを動かすために使う前に
- フィルタ
- レギュレータ
- ルブリケータ(場合による)
- 増圧弁/タンク(場合による)
を使用する必要があります。
装置のエア配管の最初に取り付けることとなります。それぞれについて簡単に説明をします。
フィルタ(F)
工場内の配管を渡ってき圧縮空気はきれいな気がしますが、よくよく考えるときれいとは言えない配管を通過しています。
その配管内で発生した汚れや水分油分を除去するのがフィルタです。
装置で使用する圧縮空気の流量や、フィルタの目の細かさなどから選定をします。
レギュレータ(R)
工場内の空気圧は装置で実際に使用する空気の圧力と異なります。
一般に工場配管では1段階上の圧力(ex 0.7MPa)を工場のタンクにためておき、装置の直前でレギュレータを用いて使用する圧力(ex 0.6MPa)にします。
このようにすることで、装置の上流(他の装置のエア使用)に影響されにくくなり、装置で使用する際の圧力を安定化をはかることができます。
レギュレータは流量や圧力を調整する範囲で選定を行います。
実際の装置にて空圧が安定しない場合は後述の増圧弁/タンクを付けることで改善することがあります。
ルブリケータ(L)
ルブリケータは圧縮空気に、油分を混ぜるものです。
わざわざ乾燥させたりなんなりしたのに!なぜ油を….と思われるかもしれませんが、エア駆動の回転工具を使用する際は必須となります。(油分不足だと工具が壊れます)
ルブリケータは装置で使用する流量などから選定を行います。
いまではシリンダはオイルレスが当たり前になっていますが、シリンダもルブリケータを通したエアを使用していました。
ちなみにFRLユニットという名前で上記3つをつなげたものもあります。そして、FRとい上2つが合体したフィルタレギュレータというものもあります。
最初は特にルブリケータを使わないときは装置入り口にFRを使用することをオススメします。
増圧弁/タンク
工場配管内の圧力が装置で使用する圧力より低い場合は増圧弁で圧力を高めタンクに貯めることで、高圧の圧縮空気を得ます。
コンプレッサから遠い現場などでは圧力の減少が起き、圧縮空気の圧力が低下することがあります。そのようなときにこの増圧弁が活躍します。
そして、増圧弁とセットで使用するのがタンクです。増圧弁の脈動を抑えるとともに圧縮空気の急激な圧力低下を防ぐためタンクとセットで使用します。
まとめ
装置で空圧を使用するために、工場の配管から取り出す際は、最低限FR(フィルタレギュレータ)をつける。回転工具が必要な場合はルブリケータ、圧力を工場圧より上げたい場合は増圧弁/タンクを取り付ける。
それぞれの選定方法は別ページで後々解説をいたします。次のページでは空気圧を制御する電磁弁についてまとめたいと思います。
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