空気圧を装置まで持ってきて、とうとう実際に使い始めます!使うにあたって空圧を制御しなければなりません!
空圧の用途はこちら
装置で空圧を使いこなすにはまず電磁弁(ソレノイドバルブ)というものについて理解しなければ話が始まりません。
電磁弁について以下に分けて説明を行います。なかなかもりもりな内容になりますが頑張りましょう!
項目は多いですが、実際の用途などを織り交ぜながら説明をしていきます!
今回は1~3について説明をします。
電磁弁とは?
電磁弁とは?
電:電気で発生した
磁:磁力で動かす
弁:弁
です。
つまり工場配管などでよく見るグローブバルブの手動で操作している部分を電気でおこなっているものです。手動で開閉を制御するのではなく電気の力で開閉を制御します。
電気で動かす弁には他に電動弁と言うものもあります。電磁弁が2点のみ(開いているか閉まっているかのみ)の制御であるのに対して、電動弁は開閉の2点だけではなく途中で止めることができることが特徴です。ただし、電動弁は空圧回路の制御では使用されることはほとんどありません。
電磁弁によってできること
電磁弁によってできることは以下の通りです。
- エアーブローの制御
- シリンダの制御
- 回転工具の制御
- …
つまり空圧回路#1で紹介したことができるようになります!シーケンサという電気的に制御を行う装置と組み合わせることで、自分の任意のタイミングでシリンダを動かしたりエアーブローをしたりすることができるようになります。
自分の思い通りに制御できることはとても楽しいことです!電磁弁を基礎からしっかり学んで自分の思い通りの制御ができるようになりましょう。次から具体的な分類を見ていきます。
出入口の種類
電磁弁には出入口が一つづつのもの(出入り口合わせて2つ)、出入り口の合計が3つ5つと様々あります。それぞれについて2ポート弁、3ポート弁、5ポート弁と呼ばれます。
4ポート弁も存在しますが、基本的に5ポート弁の排気を共通にしたものですので今回は割愛します。
2ポート弁
2ポート弁はとても単純です。
基本的には開けるか閉めるかのどちらかとなります。
外観としてこのようなものが代表的となります。
空圧回路図上では以下のような記号で代表的に表されます。この記号の場合は通常時はバネで弁が閉じられています。通電時は弁が開き空圧を伝送します。
空圧を導入する側を1次側、排出する方向を2次側といいます。
大きな特徴として後述の3ポート弁と違い閉弁時に2次側の空気が気密されることです。
3ポート弁
3ポート弁は2ポート弁にすこし毛が生えたものです。
1次側の空気を供給したり、2次側の空気を排気することができます。
外観としてこのようなものが代表的となります。写真も2ポート弁に毛が生えたようなもので横っ腹に排気用のポートが備わっています。
空圧回路図上では以下のような記号で代表的に表されます。この記号の場合は通常時はバネによって2次側と排気ポートがつながっています。通電時は弁が開き空圧を1次側から2次側に伝送します。
大きな特徴として通常時(閉弁時)に2次側の空気が排気されることです。
3ポート弁はこれ以外にも空圧の伝送先を2方向のどちらかを選択する使用法もあります。
5ポート弁
5ポート弁は今までの弁と使いみちが異なる使用方法が異なる場合が多いです。その使い方はシリンダの制御です。
5ポート弁を説明する前にシリンダについて簡単に説明します。
シリンダ
シリンダは空気を入れるとロッドを押し出したり引き入れたりする装置です。
外観としてこのようなものが代表的となります。
空圧回路図上では以下のような記号で代表的に表されます。空気を入れるとロッドが動きます。この動力はシリンダの径と空気の圧力で決まります。
シリンダは空気を入れるとロッドを押し出したり引き入れたりする装置です。この装置を有効に使用するには片側に空気を供給して、同時にもう一方の空気を排気する必要があります。
5ポート弁の説明に戻ります。
5ポート弁の特徴は弁を切り替えると一方は供給をして一方は排気をします。
つまりシリンダに必要な空気操作を一度で行うことができます。
外観としてこのようなものが代表となっています。
このバルブは直接配管タイプやマニホールドという集合配管バージョンなど多数存在します。
5ポート便の空圧回路図は以下のようになります。通常時に供給と排気がされていたものが通電時には逆になります。
つまりこの供給と排気のポートをシリンダにつなぐことで、下図において通常時にはシリンダの右部に空圧が供給されシリンダのロッドを引き入れ、通電時はシリンダ左部に空圧が供給されシリンダロッドが押し出されます。
もっと簡単に要約するとこの5ポート弁を使用することで通電時にシリンダが押し出すという制御をすることができるようになります。
※通電時の図面は通常ありえない記述ですが便宜上通電したときの空気の流れをわかりやすくするためにシリンダ位置を変更しています。
まとめ
それぞれの電磁弁の違いがわかってきたでしょうか。
初めは色々ありすぎてよくわからなかったかもしれませんが、とりあえず
エアーブローや気密検査などの供給(排気不要):2ポート弁
エアーブローや気密検査などの供給(排気必要):3ポート弁
シリンダの制御:5ポート弁
とざっくり意識しておきましょう。
次のページでは残りの種類について説明をしていきます。まだまだ奥が深い電磁弁の世界、理解すればするほど空圧制御が楽しくなりますよ!
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