
シリーズ化してきた、こんな人が書いてますよシリーズ 引き続き読み進めていただけると幸いです。
意気揚々と手を上げたはいいが?
意気揚々と手を上げました。端的に何に手を上げたかというと、社内設備のコピー品の内製です。入社3年目で社内設備を作るチャンスが訪れました。コピーなら簡単にできるでしょう!とまでは思っていませんが、少しはそんな気がありました。しかしそこには多数の難関が…
物はある、ただし図面はない
製作する社内設備は製品検査装置。物はあるがこれが30年選手の設備のため、あらゆる資料がない。(当時は設備の資料をとっておく部署がなかった。)そのため電気配線はもちろん内部PLCのプログラムもなかった。さらに機械動作部分についてももちろん図面がなかったため現物から読み解く他なかった。
装置を製作する際の資料を残すことはとても大事であることを学んだ。
現物から読み解くが、物がない
装置現物から何を使っていいのかを読み解いていくが、ここでも30年選手の弊害がでる。昔の装置であるのでもちろん組み合わせている部品も同様に古い。現物から型番引っ張り出してはみるが現存しないものしかほぼ見つからなかった。今見ると謎のメーカー品を使っている部品もちょこちょこ見つかった。
一流品を選んでおくことのメリットを一つ知った。
現物を見るが、代替品がわからない
現物があるから楽だろう!を根本から覆すが、この当時は知識がなかった。そう代替品が全くわからない。今であればこのランプはDC24Vのランプを使えば何でもオッケー!みたいなのがわかるが、そういった知識がなかったため一つ一つ代替品を探した。特に難航したのが電磁弁、この頃は座学レベルで5ポートというものがあることを知ったレベルの知識であったため、どれを使えばいいのか全くわからなかった。(ちなみにこのときは同じ空圧記号の電磁弁を選びました)しかし、この選定経験から多くの知識を獲得することができた。
座学からだけでは学べない実践から学ぶ知識の有効性を知った。
そもそも何検査してるん?
今回の装置は自社製品の検査装置。しかし当時入社3年目の私、製品についての知識がそもそもなかった。何か要求事項で出荷検査時はこういった検査を少なくともしないといけないなどなどわかっていなかった。そのため、開発者に製品検査の意図を聞き、昔の資料をあさり、品質保証部に見解を聞き奔走した。なにせ何も知らないから…
装置を作るときには目的をしっかり定める必要があることを知った。
難航する制御盤製作
もちろんこのとき初めて制御盤を作成した。PLCで入出力15点ずつ程度の小規模な制御だ。いまならささっとできるが…
電気配線図を拝借
この当時図面の書き方もおぼつかなかった。そのため、比較的新しい外注設備の電気配線図を真似て手書きで書いた。これがなかったら正直雰囲気図面で適当に作成されていたかもしれない。
とりあえずわからなかったら真似るところから始めるべし!と思った。
プログラムがバクまみれ
もちろんPLCで実際の工場で動くの設備を制御することは初めてであった。そのためバグのオンパレード。PLC交換やちょっとした制御の簡単な追加程度しかやっていなかったためとてもハードルが高かった。
特によくあったのが二重コイルでのエラー。なんでチャタリングするんやろ?..(半日後)あっ2個出力してるやん…
悩んで悩んだミスの解決方法はとても印象に残った。
配管ってどう作るん?
この検査装置はあるバルブが正常に作動するかを検査するものであった。そのため配管を組む必要があった。
フレキの使いみち
短絡的な私はよく見るねじ込み配管でいっぱいつないで配管完成!っとなると思っていたがそんなことはなかった。そもそも分岐があるので組むことができない(笑)フレキシブル配管の存在を初めて知った。
フランジのメリット
そして、元装置にフランジ配管を使った部分があった。なにしにつかってるんだろう?そのままねじ込みにしてしまおうと思っていたが、いやいや意味があるはず。地獄配管をなくすためであった。メンテナンス時に目的の配管を外しやすくするためであった。
各配管の実用的なメリットを知った。
架台?作ってやらぁ
架台をどうやって作ろうかなぁと思っていた。現物の装置は山型鋼の溶接でできていた。他の社内装置を見回してもほぼほぼすべて山型の溶接でできていた。そのため同様に溶接で架台を採用することに。そしてついこの前TIG溶接機を導入したためそれを活用して初めての架台溶接を内製することに。
カット激ムズですよ
架台の継ぎ目部分はそのまま山型鋼を使用すると重なってしまう。そのため、重なる部分を切り落とす必要があった。残念ながら社内には斜めにきれいにかつ簡単に切断する機械がなかったため、一つ一つグラインダーで切断することに…修行僧のような作業でした…
平行なんて出ません…
これぞ見様見真似といったやり方。定盤(天板にしよう予定の6F材)の上で平面を出しながら溶接。
最底面の平面は頑張って出せたが組み上がっていくにつれ、熱による歪みがどんどん出てくる。これやばくないか?と思った頃には天板をつける面が平面が崩壊、天板がカタカタ5mm程浮く場所が出てきてしまいました。(今思えば、面を出したい場所に板をクランプさせた状態で溶接進めることで歪みまがとれるんだろうなぁと反省)
今回はしゃあなし。ワッシャーなどを駆使して誤魔化し誤魔化しで架台完成。
まさに餅は餅屋 装置だけでなく技術がないと溶接は難しいことを改めて知った。
その他諸々問題
その他諸々いろんな問題にあたった。今思えばとてもいい経験
- PLC選定時のリレー式、トランジスタ式の選択(直接動作のためリレータイプ選択)
- スピコンの種類(メーターインメーターアウト)
- シリンダの推力計算
- スイッチ類の防水方法(防水タイプのボックスとスイッチカバー選定)
- 各LEDの対応電圧(フリーのものを24Vにかけて死亡)
- 制御盤にΦ22穴を開けるときにホールソーを知らず普通の鉄鋼ドリルを使用
- 制御盤外の電線類のまとめ方(耐熱シートでまとめて保護)
完成!
色々隠しておりますがこんな感じの設備が完成!

品質保証部と開発、そして現場の作業者に確認をしてもらい操作性等を微修正。長い道のりでしたが完成してとても満足。
自分で考え自分で作り上げた装置を見るのは何にも変えがたい満足感があった。そして、それとともに作り上げる過程で学んだことが間違いなく次につながることが満足感を高めた。
調子をつけた私は次の装置を画策今まで社内で手を付けたことのなかった領域の装置に手を出し始めることに。
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