前回のページで今回設計する装置の水没方式を”縦方向クランプ”””水槽を上昇させる”に決めました。今回は装置全体の構想図を(ポンチ絵)を書いていきます
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気密検査装置制作に関する記事を最初から読むことをオススメします
ポンチ絵構想
装置を設計するにあたって、いきなり3DCADで描いていく方法もあります。しかし、早期に3Dで精密に描いていくと、構想自体に無理が生じてたときに頑張って描いた物が無駄になることがあります。
そのため書き直しがききやすい状態(紙での手書き)で構想を描いて、構想自体に問題ないのか(構造が成り立つのか)を確認します。
これをポンチ絵構想と言います。
ポンチ絵構想の特徴は以下の通りです。
メリット
- 簡単にイメージの共有をすることができる
- 全体のイメージを先に掴むことができる
- 書き直し、または別案を作り出したときの手間が少なくでできる
3Dでいきなり書いてしまうと、やり直さなければならないとき「ここまで書いたし…このままいっちゃえ」となりがち…実際に作り上げるときに問題になることも…
デメリット
- 図面を書いているわけではなく、成果物としてのものがない(3Dを書いているときはとても仕事してる感が出ます)
- 絵心が求められる
メリットデメリットを上げましたが、つまり設計者たるもの作りたいものを伝え、そして創案するために絵心が必要であります。
ポンチ絵構想のメリットを最大限活かすために絵心をつけましょう。はじめはとにかく思いついた構想を描いて他の人に見て伝える練習あるのみです。
ここまで偉そうに言っておいて私はそこまで絵が上手ではないので、3Dに早く移りたがちです…
今回の装置のポンチ絵構想
では、実際に今回の装置のポンチ絵構想をしていきます。以下の順番で構想を描いていきます。
- 全体の構想
- 分割要素の構想
全体の構想
ポンチ絵構想のはじめは全体図を書きます。
もう最初は適当です。
このあたりにこの要素があって、ここらへんに制御盤があって…のようなイメージです。
今回の装置の場合はここに水槽があって、ここに駆動力をつけて あと、ワークをクランプするのはここらへん、制御盤はこのあたりに置いて…となります。
わたしはこのようなイメージを持ってみました。参考にご覧ください。
このように全体のおおよそのイメージをつけましょう。消せるボールペンかシャープペンシルで描いては消してを繰り返す+たくさんの案があればそれらを描き出してください。
満足いくまで書き出したらその中から一つ選んで先へ進みます。
機械要素についてある程度知識がついてくると、このあたりのポンチ絵構想は捗ってきます。近くにある装置などを色々見て勉強してみてください。見たことない部品や機構がついていたら勉強するチャンスです。
分割要素の構想
次は分割要素のポンチ絵構想をしていきます。
今回で言う分割要素は前述にも少し上げましたが、以下の通りとなります。とても多いですが、今思いつく限りを書き上げました。
- ワーククランプ一式
- ワークのクランプ方法
- 強度確認
- サイズ確認
- 水槽上昇一式
- 上昇機構
- 強度確認
- サイズ確認
- 制御盤
- 制御盤の位置
- 制御盤の大きさ
- スイッチボックス
- スイッチボックスの位置
- スイッチボックスの大きさ
- 空圧回路
- 空圧回路の位置
- 空圧回路要素のサイズ
- 架台
- 架台のサイズ
- 架台強度
分割の仕方に完璧はありませんので、思いつく限り要素を分けておくと注意すべき点がわかってきます。
分割が完了したらそれぞれの分割要素に対してポンチ絵構想をしていきます。
分割ポイントは小さい要素から順々に絵を描いていきます。今回は要素に入れ子構造があるので、ワーククランプ一式→水槽上昇→架台と分割要素の設計を進めます。
全体のポンチ絵構想から分割要素の設計の準備を行いました。
次は各分割要素のポンチ絵構想を順々に行っていきます!
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