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制御盤から電線を出す方法の種類

BuYS管理人
BuYS管理人

制御盤の中だけで完結する制御盤はほとんどありません。必ず外に何かしらの電線を出します。実際にどのような電線を出す方法があるのかをまとめてみました。

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制御盤から電線を出す理由

装置を動かす頭脳や動力源となる制御盤は、必要な場所に必要な電力や信号を送る必要がある。言わずもがなの必要不可欠な機能である。例えば制御盤の中にモータドライバがあれば、制御盤外に必ずモータが出てきます。ここで必ず制御盤とモータを接続するなにかしらの電線が必要になります。

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制御盤から電線を出す方向

特に制限がなければ、制御盤から電線を出す場合は下または横から出すのが一般的です。上から出す場合は防水対策をしっかり行う必要があります。

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制御盤から電線を出す方法

出す方法として一般的な方法を挙げます。それぞれ詳しく見ていきます。

  1. 自在ブッシュ
  2. ケーブルブッシュ(グロメット)
  3. ケーブルクランプ
  4. ケーブルグランド
  5. コネクタ+保護チューブ
  6. 貫通端子台
  7. ケーブルコネクタ

自在ブッシュ

電線を外に出すには制御盤に穴をあけます。その空いた穴にそのまま電線を通すと、電線の被覆がはがれ漏電等の問題が発生します。これを防止するための一番シンプルな方法が自在ブッシュを使用するという方法です。
自在ブッシュは板金のエッジ部分に取り付けることで電線を保護する方法です。自在と名の通り、丸穴角穴どちらにも対応することができます。ただし、電線を通す穴は電線に対して大きな穴となるため、隙間が発生します。そのため防水機構にはあっていません。

ケーブルブッシュ(グロメット)

フリーの穴をあけた場合、自在ブッシュを使用するのが手っ取り早いですが、定型の穴であればケーブルブッシュを取り付けるとより見栄えが良くなります。ケーブルブッシュとは特定の穴サイズにちょうどフィットする電線保護具です。ねじで確実に止めるタイプ、ゴムで取り付けるタイプがあり、ゴムタイプには膜付きのものがあり、任意の穴をあけて電線を簡易的に密閉し保護することができます。

ケーブルクランプ

多くの配線を出したい場合、上記ケーブルブッシュでは多くの穴をあけなければならず、逆に多くの配線を取り出せる自在ブッシュを使用すると密閉性がなくなってしまう。その両欠点を補うものがケーブルクランプです。
ケーブルクランプは指定の取付穴をあけた制御盤に取り付けることができます。開口が大きくたくさんの電線を通すことができるとともに、ウレタンによってクランプさせることで、簡易防塵程度の密閉性を確保することができます。

ケーブルグランド

気密性をもっと確保したい場合はケーブルクランプを使用して電線を出す方法が推奨されます。
制御盤とケーブルクランプ間はOリングで、ケーブルクランプと電線間は専用のゴムを用いて気密します。ケーブルクランプにしっかり挟める電線の太さには上下限があるので、選定の際は取り出す電線の外径太さをしっかり確認する必要があります。細かな選定が必要ですが、電線の取り出しがとてもきれいにかつ、制御盤の防水性能を低下させません。
※内部に取り込む必要のあるハーネスを通過させる際は両側にコネクタをつけてしまうと後から取り付けることができない点に注意が必要です。

コネクタ+保護チューブ

電線を引き延ばす途中で保護が必要な場合は配線ダクトを使用する方法もあるが、コネクタ+保護チューブを使用することもできる。制御盤とスイッチボックスや操作盤をつなぐ際に使用することが多いです。電線を引き出すと同時に保護する効果があります。

貫通端子台

端子台を制御盤内によく取り付けますが、外部機器とのやり取りをよくするものや、制御盤内にアクセスしにくい場合は貫通端子台で外に出すという方法があります。隔壁タイプを使用することで、外部との電線のやり取りを制御盤内にアクセスすることなく行うことができます。

アダプタコネクタ

一般的な家電製品のように制御盤にコネクタマウントを取り付けることで電線を外に出します。
コネクタの形状によっては防水性能を保持したものや、ロック機構のあるもの、逆に簡単に着脱ができるもの等多岐にわたっています。今までの方法に比べて、アダプタコネクタのはんだ等必要なため工数が必要となるが、簡単に着脱できるという点で大きなメリットがあります。工数や設計のコストをかけてもよい場合はコネクタ化しておくと拡張性などを確保することができます。

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まとめ

表に特徴をまとめました!
(良い)3>2>1(悪い)

穴への施工性電線選定施工性防水防塵性電線の着脱性電線の排出量見た目(主観)
自在ブッシュ 3(どんな穴でもOK)31131
ケーブルブッシュ2(規定サイズの丸穴)22121
ケーブルクランプ 1(専用穴)32133
ケーブルグランド 2(規定サイズの丸穴) 13113
コネクタ+保護チューブ 2(規定サイズの丸穴) 23123
貫通端子台1(専用穴)31212
ケーブルコネクタ 2(規定サイズの丸穴) 13333
BuYS管理人
BuYS管理人

制御盤から電線を出す方法をまとめました。
様々ありますが私は特に指定がなければ、電線の増減に対応できるケーブルクランプを使用し、着脱が必要な個所についてはアダプタコネクタ、そして、防水性が必要な場所ではケーブルグランドを使用します。簡易的な施工性の自在ブッシュやケーブルブッシュは追加工事などでよく使用しています。

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