【好評発売中】強く優しい生産技術者になる心構え
メーカー社員時代にどのように生産技術者として成長していったのかをまとめたエッセイ! Amazon Kindleにて発売中!

産業用ロボット/#1ロボットの動作機構と特徴

BuYS管理人
BuYS管理人

産業用ロボットには様々な分類方法があります。その中でロボットの機構による分類をしていきます。

スポンサーリンク

産業用ロボットとは

産業用ロボットとは文字通り産業で使用するロボットのことを言います。教示された(プログラミングされた)動作を再生し様々な作業を連続的に行うことができます。様々な作業を行うことができる産業用ロボットですが、そのロボットの機構自体にも様々なものが存在します。

スポンサーリンク

産業用ロボットの動作機構による分類

直行軸ロボット

一般的に直角に配置された3軸を有するロボットです。このロボットは適応するアプリケーションに対して任意の直動アクチュエータを組み合せて作り上げられます。そのため、必要な可動範囲を自分で設定することができます。また、機構がシンプルなため、比較的安価にロボットを導入することができます。価格帯は50万~

参考IAI

スカラロボット

スカラロボットとは、回転する2軸でXY平面での位置を決め、先端の直動軸でZ方向の位置を決めることができるロボットである。基本的には自由度が3であり位置決めを行うことしかできないが、先端の回転機構をもった自由度が4のタイプが存在する。一般的には床置きタイプを使用しますが、床面を有効活用できる天吊タイプも存在します。価格帯は約50万~150万円程度

参考IAI

垂直多関節ロボット

一般的によく言われている産業用ロボットの姿がこのロボットでしょう。人間の腕のような機構を持っていることが特徴のロボットで基本的に6軸を有し位置と姿勢の両方を決定することができる点が大きな特徴です。障害物を避けた動きをすることができる、7軸を有したロボットも存在する。また、人の手と同様に近い動きをすることができるため、近年では協働ロボットとして活用さることが多いロボットの動作機構です。約200万円~

ゲンコツロボット(パラレルリンクロボット)

3つのリンク機構を用いて位置決めをする産業用ロボットです。このタイプの特徴といえばなんと言ってもハンド部が軽いことによる高速動作です。しかし、垂直多関節ロボットに比べて可搬質量が低く、動作可能範囲も狭いというデメリットもあります。位置決めのみが可能な3軸タイプと、手首機構を有した4軸、6軸タイプが存在します。約150万円~

スポンサーリンク

動作機構による使い分け

価格重視であれば

価格重視であれば、間違いなく直交軸ロボットかスカラロボットを選択することになります。ロボットの動作範囲によりますが、この2つのロボットの価格帯は非常に近いです。そのため、干渉などが気になる場合は直交軸を選択し、干渉がそこまで気にならずに空間に自由がある場合はスカラを選択するといった使い分けとなります。ただし、これらは一般的に位置決めのみ(スカラの場合+Z軸方向の回転のみ)になるので、細かな作業を行う必要がある場合はその他機構で工夫をする必要があります。

自由度重視であれば

自由度重視であれば、間違いなく垂直多関節ロボットかゲンコツロボットを選択することになります。一般的に直行ロボットが位置決め機構しか有しない一方、垂直多関節ロボットは姿勢制御機構を有しているため、掴むワークを立体的に方向転換したいといった場合に有効です。ただし、価格が非常に高くなることが難点です。

速度重視であれば

速度重視であれば、ゲンコツロボットをおすすめします。動かすハンド部分が小さいため、モータの出力をそのままスピードに転化することができます。6軸タイプであれば姿勢の変更も超高速で行うことができます。更に速度を重視したい場合は3軸タイプを選択すると、6軸タイプに比べ最高速を上げることができます。ただし、可動範囲が非常に狭いため、コンベアなどとうまく組み合わせる必要があります。

可動範囲重視であれば

可動範囲重視であれば、大型の垂直多関節ロボットやスカラロボットを使うのが無難でしょう。また、一軸方向のみ大きな範囲が必要であれば、付加軸として直行軸に各ロボットをつけるという方法が一番安価に大きな可動範囲を実現することができます。

スポンサーリンク

まとめ

産業用ロボットには様々な種類のタイプがあります。各動作機構それぞれ価格や特徴が異なるため、それぞれのロボットについてしっかり理解して選定することで安価でかつ高効率な設備を作り上げることができます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました