空気圧の用途を前回簡単に学びました。とても便利な空気圧ですが、どこからどう発生するのか、使えるようにどう処理するのかを説明したいと思います。
空圧の用途についてこちらのページで紹介しています。
空圧の発生〜使用可能になるまで
空圧は勝手には発生しません。日常的に一番わかりやすいのは自転車の空気入れです。自転車タイヤに空気を入れているが、この空圧は人がポンプを手動で動かすことによって発生させています。
工場の場合を想定します。
工場を自転車の空気入れポンプで動かすことはできません(笑)工場ではポンプのかわりにコンプレッサというものを使います。
コンプレッサ
コンプレッサは簡単に説明すると自転車の空気入れの電動バージョンです。ここで高圧(工場によりますが0.3MPa〜0.7MPa程度)に圧力を上昇させます。圧力の上がった空気を圧縮空気と呼びます。この圧縮空気を電気で作り出すものがコンプレッサです。
高圧になったしそのまま使っちゃうか!となりそうになるがちょいとお待ちをしてください。そのまま使うといろいろな問題が起きてしまう可能性があります。その問題を解決するための物を紹介して行きます。
アフタークーラ
急に高圧になった空気は温度が急上昇します。温度が上昇した空気は工場内の配管を渡っている間に冷え、水分が析出し始めます。これを防ぐためにコンプレッサで高温になった直後にアフタークーラを設置して圧縮空気を冷やします。
アフタークーラ=低温にして配管途中で水分析出を防止。
エアドライヤ
空気をアフタークーラで冷やしたしこれで大丈夫…とはなりません。
冷やしたということは、その時点で圧縮空気内に水分が析出します(簡単に言うと結露みたいなものです)。その水分を除去するためにエアドライヤーを設置します。
エアドライヤ=圧縮空気の水分を除去する。
フィルタ
水分除去できたしもう使って….とはまだなりません。
水分除去をしても、微小のゴミや油分などがまだ混ざっている可能性があります。これらを除去するフィルタが必要となる場合があります。
フィルタ=圧縮空気の微小ゴミや油分を除去する。
タンク
もう、色々除去したし使わせてくれ…となりますが工場においてはまだ必要なものがあります。
それはタンクです。
今までの不純物を取り除く系統のものと違います。圧縮空気を貯めるためにタンクを設置します。
圧縮空気を貯めることによって以下の効果を得ることができます。
- 多量に圧縮空気を使用するときに急激な圧力低下を防止
- コンプレッサ作動時の脈動(ポンプの動作による圧力の変動)による影響を防止
タンク=圧縮空気を安定化させる
まとめ
まとめると空圧の発生には以下の機器が必要となります。
機器名 | 目的 | 代表メーカー |
---|---|---|
コンプレッサ | 圧縮空気の発生 | 日立産機/アネスト岩田等 |
アフタークーラ | 圧縮空気の冷却 | SMC/ORION等 |
エアドライヤ | 圧縮空気の乾燥 | SMC/CKD/ORION/アネスト岩田等 |
フィルタ | 圧縮空気の洗浄 | SMC/ORION等 |
タンク | 圧縮空気の保持 | アネスト岩田/ORION等 |
一つ一つがそれぞれの役割を持っているのでどれかかけているだけで、正常な圧縮空気ではなくなる可能性がありますので注意してください。
次はついに装置につなぎこむときに必要な機器を紹介します。(使うまでに道のりがながい…)
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